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約5年間ありがとうございました。退任のご挨拶と「センター長として」の想いです。

センター長日記

センター長の藤田です。これまでもご説明してきた通り、3月31日をもってセンター長を退任し、それに伴い、約5年間活動してきた湯沢市の産業振興機能でもある湯沢市ビジネス支援センター(ゆざわ-Biz)はその活動に幕を閉じます。

私の退任がきっかけで、結果的にビズの廃止につながってしまったような形となり、相談に来られていた事業者の皆さんには申し訳ない気もあり、また正直申し上げて全体的になんとも言えない「モヤモヤ」な気分でもあります。また一方で、このビズという事業は、高度な行政運営能力とセンス、産業振興に関する高いリテラシーが求められる部分もあり、今の湯沢市にとっては少々「荷が重かったかな」という思いでもあり、今の時点で(私が退任した時点で)廃止という選択肢は、総合的に考えても良かったのかなと感じるなど、いろいろな想いや考えが頭の中で交錯しています。

ゆざわ-Bizは5年にわたって市内の中・小規模事業者や創業の実現を目指す方々の伴走支援を行い、ありがたいとに多くの結果を出してきました。私自身、皆さんの挑戦を応援し、実際にアイディアを考え、それを実行に移し、売上げや利益が上がった際に一緒に喜べたことは、本当にうれしかったですし、今後「企業人」として会社の経営に携わる世界も戻った後も、忘れることはないでしょう。この5年間が今後の私の人生においては、代えがたい経験になったと思っており、まずはじめに、相談に来られた事業者の皆さん、そして湯沢市で私の生活をプライベートでもお付き合いいただき、私の湯沢市でのQOLを最大限まで高めてくださった皆さんに本当に感謝申し上げます(感謝してもしきれないです)。

そして、このような場を作っていただいた、すなわち湯沢市の公共事業として事業を予算化までこぎつけてくださった鈴木俊夫・前湯沢市長や、2018年のビズ導入にあたる評価や準備、そして2020年の開業までに力を注いでいただいた産業振興部商工課の課長や班長をはじめ、メンバーの方々にも深くお礼を申し上げます。

5年間の総括は2025年2月19日に行われた私の退任の記者会見で申し上げた通りで、ビズが5年間にどのような支援をしてきたかは、すでに公開されている2020年から2024年までの実績報告書をご覧いただければと思います。

今回、5年間続けてきた事業が市役所として廃止とするにあたって、少なくとも私の「退任」がきっかけになっているため、この退任にいたる自分自身の想いや、5年間センター長として事業の遂行に携わってきた身としての「ビズ事業とはどのようなものか」という本質論の総括、そして私がいなくなった後にどのような対応が取りうるのかという点について自分なりにまとめようと思いましたので、少し長くなりますが、まとめさせていただきます。

今回、この文章を記すにあたっては、運営側、すなわち現在の湯沢市の行政姿勢や運営に対する「苦言」も多く含まれています。そのため、本意見を公開しようかどうかは非常に迷うところでした。2か月ほど悩んだ結果、ゆざわ-Bizという事業が税金で運営されており非常に公共性の高いもので、また、利用していた方が多いこと、そして利用していた人から「なぜ事業がなくなるのか」という質問を多くいただいたことから、正確にバックグラウンドを含めて利害関係者の皆さんには把握していただいたほうがいいと思い、公開としました。

「苦言」とは、「苦情」と異なります。すなわち、正確に「苦言」という言葉の意味を記しておくと、言われる側(今回でいえば湯沢市)の利益になるだろうと思ってあえて批判(=評価・判定をするという意味)や指摘をするものです。また、事実関係と私の意見は正確に記載するため、なるべく丁寧に記載しています。その中で「意見の相違」なども出てくるかと思いますが、あくまでこれまでの事実に基づいた「意見」でありそれを母体にした考え方の相違であり、「苦言」ではあっても「苦情」ではないことをご了承ください。

■事業廃止の根拠やそのプロセスについて■

これは最初に主張しておきたいと思います。簡潔にいうと、今回ビズ事業の廃止にあたって、湯沢市産業振興部商工課は、これまでビズを利用していた相談者に一切のヒアリングをしていません。

また、約5年間センター長として業務をこなしてきた私に対しても一切のヒアリングを行っていません。

公共事業である以上、センターを利用していた事業者ファーストの視点で事業を継続するのかどうかという判断をしなければならないなか、継続可否の判断をする材料として相談に来られる事業者の方々から一切ヒアリングをしていない、そして事業者の方々の相談に日々のっていたセンター長にも一切のヒアリングをしていないという今回の商工課のプロセスに関しては、非常に残念だと言わざるを得ません。

そして廃止にあたっては市議会に対する説明資料に関しても、約2週間という短い期間で「廃止の根拠」を作成しています。内容に関しては、憶測が多く、資料公表後に現在の商工課長である菅勉課長にヒアリングをしたところ、事業者ではなく商工団体を通じた「また聞き」や「憶測」「うわさ」でまとめられていたところも多く、内容や作成されたプロセスに関しては非常に不満が残る内容となっています。

また、私が退任を申し出た2024年10月以降、私のほうから菅課長をはじめ商工課には「新たなセンター長の募集や来年度のビズの運営に関してどのようになるのか」という質問を何度もしていました。しかし、商工課からは「市長判断含めて決定してない」「方針が決まった段階で市長から直接説明を行う」という説明がなされるだけで、一向に状況が進捗しないなか、2025年1月の段階で私は、秋田魁新報の記者から「市議会の全員協議会の場でビズの廃止が説明されたが、どのような経緯になっているのか」(注・全員協議会=地方自治法第100条第12項に基づいて、議会が議案の審査や議会の運営について協議や調整を行う場)ということを聞いて、初めてビズの事業が次年度以降廃止になると知ることになります。

つまり、私が次年度以降のビズ事業に関して数か月間担当課に質問していたにもかかわらず、一切の回答がなかったばかりでなく、方針が決まり、全員協議会で事業廃止を伝えることすら、当事者(センター長である私)に一切伝えられず、第三者(秋田魁の記者さん)から初めて聞いてはじめてその事実を知るという状況になります。また、当初「方針が決まった段階で市長から直接説明を行う」と言っていた説明も、2025年3月30日現在、私に対してなされていません。

この一連の対応を実際に経験したうえで、このタイミングでの退任は、相談に来られていた方々に対しては非常に申し訳ない一方、「自分自身」としては非常にいい判断であったと思っています。

■退任のタイミングと理由について■

次に、退任のタイミングと理由についてです。2025年2月7日付の秋田魁新報で、湯沢市の新年度予算に関する記事とそれに付随したビズ事業廃止の記事が掲載されました。この記事自体は湯沢市が発表した資料に基づくものです。

この資料は、先ほど私が前段でのべた湯沢市側が2月6日に行った全員協議会向けの資料であり、この協議会の場には先ほどもご説明した通り私は同席していないため、説明の詳細は把握していません。また、これも先ほど述べた通り、湯沢市が作成した全員協議会の資料の中で、廃止とする根拠とした資料に関しても、センター長としてビズ事業を行ってきた私はヒアリングを含めて一切かかわっていないため、どのような流れで作成されたのかは存じていません。

そのため、秋田魁新報には退任の理由などを含めて、私から別途説明をしています。そのうえで、センター長職に関して秋田魁新報の記事の中で私が「5年で一区切りと考えていた」と記載がありました。この「5年で一区切り」と思うようになった経緯に関しても取材の場では説明していますが、そこまで書かれていなかったため、この場で正確に記しておこうと思います。

まず、着任の時から「5年一区切り」とは考えていませんでした。当初は「とりあえずやれるだけやってみよう」という考えで、結果的にそれが2年で職を辞する可能性もありましたし、「何年で退任」ということは考えていませんでした。詳細は割愛しますが、この仕事(中小規模事業者に対する支援)は奥が深く、やればやるほど新たな知識を吸収したり、スキルアップが必要になったりします。そうこうしているうちに、特に「退任」に関しては考えなくなりました。

「退任を考えるようになったきっかけ」に関しては、ビズ設立当初の2020年と比較し、特にこの数年間、湯沢市の産業振興に対する熱意、そしてビズ事業に対する熱意が、佐藤市長や東海林副市長、また、ビズの運営を直接担当する産業振興部商工課からも伝わってこなかったことがきっかけです。担当部・担当課に至っては、当初の立ち上げメンバーは現在ほとんど残っておらず、ここ1年は副市長や管理職クラスが「ビズ事業そのものを理解していない」という状況もありました。

これはあくまで私の印象ですが、運営側のスタンスが「とりあえず作ってしまった箱モノを中のソフト(藤田や飛塚、笠松などアドバイザーや事務員)がいるし、利用者がいるので継続している」という状況で、ビズ事業を産業振興のためにどう使っていくか、各地域のステークホルダーとどのように連携していくかというような建設的な議論がされていない状態でした。

以前テレビに出演した際にお話ししたことがありましたが、私は湯沢市とはこれまで縁がなく、この「ビズモデルのセンター長」という仕事があって、その場所が結果的に湯沢市であったために移住しています。移住の決め手となったのは、当時の運営側の熱意です。設立当初に湯沢市に来ると決めた際は、前市長や当時の担当課全員の熱意や事業にかける想い、そしてその設立の経緯や理解度に共感し、他のビズの中から、ご縁のなかったこの地を選びました。

こうした運営側の熱意があるからこそ、この地で仕事を続けられたという思いもありますが、裏返せば運営側である湯沢市にこの熱意がなくなると、湯沢市にいてこの仕事をするモチベーションを保つのは非常に難しくなります。そうした状況の中で、私の契約はあくまで単年度で更新していくという形態でもあり、2023年ごろから漠然と「事業の継続自体は2026年3月まで(着任から6年)であるけれど、5年一区切りをめどに退任をしよう」という考えになりました。

もちろん、「センター長職」という仕事に対しては非常に満足していますし、やりがいを十分に感じています。そして何より、挑戦する事業者のそばでその挑戦を支援するという仕事ができたことをとてもうれしく思っています。

■ビズ事業の本質と継続の可否に関して■

センター長としてビズ事業に携わっていて思ったのは、地方都市にビズのような機能は今後絶対に必要だということです。それは5年間湯沢市の事業者の支援をしていて痛感しました。もちろん、普段「相談できるところがない」という事業者の方々が、気軽に「無料で」相談できる先という性質もありますし、市内のありとあらゆる産業の情報が集積する「データセンター」としての位置づけとしても必要不可欠な機能であると感じています。おそらくこのデータは、活用すると有効かつ効果的な産業振興の政策を組むうえで強力な材料となることでしょう。

こうした機能を私の退任と同時に行政として手放してしまうのは非常に残念なことですが、ただ一方で、最初にも書いた通り、結果的にですが、私としては「今の状態では」という条件のもと「湯沢市としてビズ事業を継続しなくてよかった(=廃止してよかった)」と思っています。

ビズモデルは現在、全国で北海道から九州まで約20か所で設置され、その自治体の独自予算で運営されています。みな各地の自治体の取り組みを参考にし、その産業振興分野におけるインパクトをみて、事業を設置して運営を行い、効果を出しています。

各地のビズは横の連携もあるほか、各地のビズで「クオリティーチェック(相談と結果の質のチェックや第三者による査定・評価)」がされてます。ゆざわ-Bizのレベルは、以前日経新聞や秋田魁新報でも取り上げれられた通り、この全国のビズの中で第三者評価でも「トップレベル」と評されています。私や飛塚・笠松両アドバイザーも全国にあるビズの中で、継続的にトップレベルで居続けられるように日々自分たちの相談スキルを磨き、相談に来た事業者の結果を出し続けるよう努力しています。

一方、ビズモデルを事業として実行していくにあたって、他の全国の自治体に含めて求められるのは「高度な行政運営・センス」と「産業振興に対する高度なリテラシー」です。なぜなら、ビズ事業はこれまでの「予算をつけて何か『見えるモノ』をつくればいい」という単純な「可視化・箱もの行政」からすると異質だからです。あくまで、「箱」ではなく、中の「ソフト」をどのように作りこんでいくかというこれまでにない事業であるため、どこも「高度な行政運営・センス」と「産業振興に対する高度なリテラシー」が求められます。

逆にこれがないと、不用意に「効果の表面的な可視化」であったり「税収」であったり、ビズ事業の本質からすると本末転倒の議論に陥ってしまいます。「可視化」はもちろん必要で重要な要素です。しかしながら「外形的な可視化」は当たり前で、その中の本質論をどう「可視化していない部分」まで含めて360度評価を行いながら説明していくかが、事業主体者としての責任だと思います。

その意味で、現状の湯沢市においては、ビズモデルを運営するにあたって求められる「高度な行政運営・センス」と「産業振興に対する高度なリテラシー」に関して、荷が重かったのかなと思いますし、まだ設置するほど成熟していなかったのかなとも感じます。

この状態で仮に事業を続けていった場合、私のあとに新たに民間から有能な人材をセンター長として招聘すると、その人も同じような状況におかれるだけなので、今のタイミングで事業廃止をすることがもしかしたら最良の選択肢・タイミングだったのかもしれないと感じています。

ただし、これは2025年2月19日に行われた私の退任会見でも述べたことですが、「なぜ廃止しなければならなかったのか」の検証は必要なのではないかと考えています。

なぜなら、ビズは全国で約20の地方自治体が独自予算で運営を行っており、その中には人口規模や予算規模が湯沢市と同じような自治体もあります。この約20の自治体は、多かれ少なかれ、「可視化」や「事業の効率」という議論と闘いながら、事業を継続し、地域産業振興の結果に結びついています。湯沢市が今回廃止に伴って作成した資料の中にも書かれていますが、全国にある約20のビズの中で、湯沢市は第三者評価などから「全国でもトップレベル」であると評されています。これは、日経新聞や秋田魁新報でも何度か書かれており、明らかに実績はトップクラスだと私自身自負しています。

約20の自治体が実践し、効果を実感している事業で、なおかつその中でも事業者支援の結果としての実績はトップクラスとして評価されており、前提条件として相談に来ていた事業者も「ゆざわ-Bizがあることに対するメリット」を十分に感じ、また継続を希望する事業者も多かったなかで、いわゆる市民からの意見をなかばくみとらない形で、湯沢市がなぜ事業を廃止をしなければならなかったのかについては、検証をする必要がありそうです。

その理由は、他の自治体が、商工団体や金融機関と一緒に協議会を組成して運営しているのと異なり、湯沢市が完全な市の直営事業だったからなのか、もしかしたら自治体の運営能力が低かったからなのか、理由はわかりません。こうした検証は運営側自身の能力を否定することにもつながるため、なかなか運営側としては「やりたくない検証」であるとは思いますが、この検証作業からは逃げずに立ち向かっていってもらいたいと思っています。

今後こうした検証を乗り越えていきながら、産業振興に対するリテラシーは高くなってくると思いますし、高度な行政運営ができるようになるのではと思っています。すなわち、湯沢市の行政の「成長」にはかかせない作業だと確信しています。

■今後の事業者相談窓口について■

先に記載したように今の湯沢市が「ビズ事業のこと自体を理解していない」ということにつながりますが、市がビズを廃止するうえで「しかし、中規模以上の事業者については事業者支援の結果、その恩恵が従業員にまで及ぶことで、市民生活の向上につながるものである。具体的には、雇用の拡大や賃金アップ、従業員の生産性向上等が挙げられるが、本事業は、中規模以上の事業者への影響が乏しく、市民生活の向上にはつながっていない(全員協議会向け資料・資料31・ビジネス支援センター事業について5ページ/原文ママ)」と言及しています。しかし、そもそもビズ事業の本質論では、ここに書かれているように規模の大きな企業の支援を対象にしていません。

私は、ビズ事業を5年間センター長としてやってきて「創業や零細を中心とした中・小規模事業者に対しての」経営コンサルティング業は民間では成立しえないと確信しています。なぜなら、「事業としてマネタイズしないから(=お金にならないから)」です。儲かっている会社や「ある程度規模の大きな会社」は、こうしたコンサルティングを使う動機がなかなかありませんし、ある程度の金額で、自分たちで大手のコンサルティング会社と契約します。逆に、そうでない会社(なかなかこれまで結果が出ない小規模な事業者・企業)は、質のいいコンサルティングに頼りたくても、結果の出せるある程度有能なコンサルティングにはお金を払う体力はありません。すなわち、この分野で民間がコンサルティングをしようと思っても、マネタイズできず、通常の市場原理だと参入動機がありません。

一方、こうした分野で、どこがマネタイズポイントとなりえるかというと、コロナ禍であふれた国からの補助金による出来高の成功報酬であり、「本当は必要のないマネタイズするためだけの支援」であり、残念ながらあまり質の高くない「安かろう悪かろう」のコンサルティングになります。この分野が民間ですでに破綻しているということは、近年問題になっているいわゆる「民間の中小を対象にした経営コンサル業」の倒産や廃業が相次いでいる状況で明らかです。

人口が少ないエリアの産業の底上げには、先に説明したように、「規模の大きくない零細を中心とした会社で、コンサルティングに頼りたくても、結果の出せるある程度有能なコンサルティングにはお金を払う体力がない事業者」の活性化が必要で、こうした「民間に参入動機が生まれない分野」で税金をかけていわばセーフティネットの役割として事業を行うのが、ビズ事業の事業としての位置づけです。すなわち、産業分野における、分野は違いますが、へき地医療や、市民生活を維持するための公共性の高いライフライン・インフラ事業などと一緒だと考えています。

私自身、2020年の就任時の記者会見でお話ししましたが、日本の経済の底上げには、勝手に人口が集まってくる首都圏ではなく、主に地方を中心とした各地で、こうした規模の大きくない零細を中心とした会社の活性化が重要だと海外で働いていた2018年ごろから考えるようになり、「民間でマネタイズしなくてもいい」このビズモデルという運営方法を発見し、共感をして参画しました。

こうしたビズモデルの本質論を考慮すると、残念ながら今回湯沢市が今回出した結論は「自分たちが設置した事業の本質論を理解していない」ということになります。これを含め、先に述べた「高度な行政運営・センス」と「産業振興に対する高度なリテラシー」になると思うので、ここに関しては深い言及は避けたいと思います。

こうした背景がある中、今後湯沢市では「市内事業者が困らないように窓口を設置する」とのことですが、これは先にのべた廃止にかかる検証とともに、しっかりとやってもらいたいと感じています。

その一方、5年間ビズ事業を行ってきた身としては一抹の不安を感じるのも事実です。

先に述べた「民間がマネタイズできない分野の産業振興」を果たしてどこが行うかという議論ですが、これは民間の地域金融機関や、地域の商工団体(具体的には、商工会議所と商工会)となります。

これは数年前に第10代金融庁長官の遠藤俊英氏が過去にインタビューで話していたように、現在各地で行われているビズ事業に関しては、元来、地域の金融機関、そして地元の商工団体が行えばいいことで、残念ながら「それができていない」ため「ビズモデル」が各地に存在しているのも事実です。

湯沢市では今回、「商工団体や金融機関等と連携をしながら事業者支援を進めていく(全員協議会向け資料・資料31・ビジネス支援センター事業について5ページ)」としていますが、これを記載した湯沢市市役所の商工課自身が「それができないのでゆざわ-Bizを設置した」と言及していた点を不安に感じています。

私の退任後にビズの事業が仮に休止・廃止になった場合に備えて、センターのほうから湯沢市へ「現在と同等のクオリティーを維持した支援の提供をどこが行うか」というのは議題に出し続けていたのですが、ゆざわ-Bizと湯沢市産業振興部商工課との定例会議では、商工課として「そもそも、金融機関や商工団体がこうした支援をできていないため、ビズ事業を設置したという経緯があるため、ビズがなくなった場合は、ビズと同様の支援は行えない」という結論に達していました。

ここに関してもまだ窓口が具体化しておらず、私の退任した4月以降の話になるため深く言及はしませんが、ゆざわ-Bizに来る事業者や、約2年前から急激に増えた創業相談者などを含めて、湯沢市の言及する「新たな窓口」に期待したいと思っています。

以上、長くなりましたが、ビズ事業や産業振興のあり方、今後の窓口などについて正確にお伝えしたく、長文の挨拶とさせていただきました。

最初にも記載しましたが、改めて、ゆざわ-Bizに相談に来てくださった事業者の皆さまには、その「挑戦する姿勢」やモチベーションを文字通り伴走支援する中でそばで拝見し、貴重な経験をさせていただいたことに本当に感謝しています。

また、ビズ事業を立ち上げた当時の湯沢市のメンバーには、この湯沢の地で「事業者支援」という新たな挑戦の機会を与えてくださったことに深くお礼を申し上げます。

私の中で自治体の行う事業にかかわる難しさを痛感した一方、これも私の人生では、普通の方々がめったにできない経験をさせていただいたということで、「いい経験をした」と」前向きに考えようと思っており、新たな4月からの挑戦の糧にしたいと思っています。

それではみなさん、お元気で!

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