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いろいろとダウンサイジング(コラム)

センター長日記

日本に帰国後、お土産屋を見ていて何か自分の中で「違和感」を感じたのを覚えています。

その違和感がなんだかよくわからず、ほったらかしにしていたのですが、ある時、あるものを見たときに「あ、そうか」と思ったことがあります。そのあるものとは、これです。

そう、老舗和菓子店の亀屋万年堂のナボナ。写真だとちょっとわかりづらいですよね。小さいんです。昔、よく家にいただきもののナボナがあって、子供が食べるには少し大きかった記憶がありました。あのナボナが小さくなってる!

もともとの大きさのナボナももちろん売っています。ただ、お土産用の一部が「ダウンサイジング」していたんです。

このダウンサイジング、そうかと思ってみてみるといたるところで「プチ」や「一口サイズ」などで表現を変えて昔大きかったものがいろいろなところで小さくなって登場していました。

有名どころでいうと、お土産の定番品「シガール」。

通常サイズのおそらく半分程度です。

このほか、もともと大きいものは、あえて切って一口サイズでパッケージして梱包したりされているものもあります。

商品名には「ひとくち」や「プティ」などが書かれており、これ自体が増えているんだなと思います。

お土産品でいえば、使用シーンを考えると、会社の社員や取引先にもっていくことが多いと思います。その場合、確かに大きなものだと、渡された人はわざわざ切り分けないといけない。また、サイズが大きいものだと人数が多い場合に分けきれない。そんなシチュエーションが考えられます。

こうしたシチュエーションを意識したことは間違いなさそうで、もともと大きかったものはサイズを小さくして「梱包数」を多くすることで全体数量を多くし、より多くの人に分けることができる。また、もともと形として切り分ける必要があるもの(写真ではバームクーヘン)は、渡された側がわざわざナイフを入れて切り分けるような必要がないように・・・ということなんでしょう。

もちろん、こうした一口サイズや「プチ」系はこれまでも多くありました。ただ、土産品を見ているとその数は一昔前より断然増えたかなと思います。

これもいわゆる「使用シーンを想像して商品を開発する」ということの一つなんだと思います。

このダウンサイジング。お土産以外にも起こっています。

普通のコンビニのお菓子でも、一口とはうたってないものの、あえて「ダウンサイジングして食べやすいようにする」というのはトレンドです。

せんべいやかりんとうなどをあえて「割って」小さくする。またもともとのサイズより小さいもので、消費者の手の届きやすいようにするというのは、お土産でない普通の日常にも溶け込んでいます。

もともと大きかったものが小さくなって売られているというのは、お菓子のなかでは「歌舞伎揚」が早かったのではないかなと思います。これは私が海外に行く前からよくコンビニで購入していたので。

パッケージも、そしてお菓子そのものも小さくリニューアルしたり、新商品を投入する。これも消費者の移り行くニーズや「どのようなシーンでこれを食べるのか」といったマーケットの研究に由来するものだと思います。

よく、相談で「使用シーンやシチュエーションを想像してみましょう」ということを私はいいます。そうしたシーンを想像することで、「より消費者にアプローチできる」商品を開発することができるからです。

それはなにも、商品のダウンサイズだけでなく、色々なものに応用できると思っています。

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