「コト」を消費する世代(コラム)
いやぁ、久しぶりになってしまいました。。。センター長の藤田です。
この頃更新していなかったコラム、「忙しくて書いていなかった」とか「ネタがもう尽きた」とかではなく、単に「書くのを忘れていた」というのが理由です。すいません!!
今回はちょっと変わった視点のお話、かな。
先日(といっても1か月以上前ですが)、東京に出張に行った際に東急ハンズに寄ったのですが、「へー、こんなのあるんだ」というものを見つけました。
これ、何かというと「手帳」です。手帳なんですが、アルバムに近いようなもので、思い出の写真とともに、自分で文章を書き綴れるようになっていて「自分だけの」オリジナルな思い出を手書きで編集できる手帳です。
このほかにも「美術館」「コンサート」「演劇」から「ラーメン」や「パン」などテーマは様々です。相当細分化されているんですが、今回の話、ともすると「ターゲットを絞って」「用途のシチュエーションを絞って」とかいう話になりそうですが、実はそうではありません。
店員さんにお話を聞くと、結構売れているそうで、なおかつ買っていかれる年齢層は20代から30代前半が圧倒的に多いそうです。ここの東急ハンズ、顧客の年齢層が若年層が圧倒的に多い店舗かというとそうでもありません。店員さんの話を聞きながら、「この商品にピンと来るのって若い人たちなんだ」と私は思いました。まさに「ミレニアル世代」ですね。
そこから感じたことが一つ。ミレニアル世代の「コト」に対する消費動向です。
ミレニアル世代って「ものを買わない世代」とよく言われています。一昔前はお金があったら「いい車」「いい時計」「いい家」など形として残る「モノ」を購入するのが価値観として成立していましたが、この世代の方々から言わせてみると「最近のもんは車も買わなくなったし、そもそも物欲がなくなった」となります。
でも、ちゃんと消費しているんですね。モノではなく「コト」で。最近、カタログ通販や結婚式の引き出物代わりのカタログも、昔ながらの「モノ」ではなく、「高級スパ」や「癒しの宿」など体験ギフトの市場がどんどん拡大しているようです。
こうした「コト」に価値観を置いて消費する世代、そこから得た体験を「自分のオリジナルなもの」により昇華していく過程で、今回のような手帳が登場したんだと思います。
そして、「コト」を消費する世代はもちろん、記憶はスマホの中のデータなど「デジタル」で記録されることがほとんどです。アナログとは対照的な世代なんですが、媒体としてはデジタルであふれているにも関わらず、自分自身の大切な経験や思い出は逆にアナログでまとめ、手帳という形で記憶に残していくのだなと思いました。そしてこの手帳のように「自分だけの体験と、モノを購入するときのように商品として明確なカタチとして残らないからこそ、その体験をカタチにする(結果的に「モノ」にする)」というマーケットは今後も増えるのだろうと感じました。
今回のお話、特にマーケットに関する明確な結論(というかオチ?)はありません!
明確なオチはないんですが、特定の商品を見た際に、その背景にあるマーケットや消費者の行動原理、市場がどう変化しているのか、そしてどう今後変わっていくのか・・・を読んでみたり、想像をしてみるのは非常にいい訓練なんです。特に私の仕事は・・・。