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「ポータブルスキル」のお話(コラム)

センター長日記

今日は「ポータブルスキル」をテーマに書こうかなと思っています。

なぜこのテーマかというと、私がビズでお仕事をさせていただいて、自分のポータブルスキルが今の仕事に非常に活きていると感じるからです。

よく皆さんに言われます。「毎日入れ代わり立ち代わり違う業種の相談にのって大変でしょ?」

いえいえ、皆さんが思っているよりは大変ではありません。なぜならそれは、私の「ポータブルスキル」のおかげだと自負しています。

そもそも「ポータブルスキルってなんだ?」という方のために説明しておきます。そう偉そうに言っておきながら、私もお恥ずかしながら数年前まで、この単語を聞いたことがありませんでした。2年ほど前、まだ私がベトナムにいた際、とある勉強会のスピーカーをする機会があって「藤田さんのポータブルスキルをテーマに語ってくれ」と言われて話したのがきっかけでした。

このポータブルスキル、ようは読んで字のごとく持ち運びの効くスキルであり、「どこに行っても(転職しても)通用する自分の能力」です。特定の職場だけ、特定の業種・職種だけ通用するスキルと対極にあるスキルです。

最近はよく、「自分のキャリアのたな卸しをしよう」と言われますが、そのたな卸しの中でも一番重要な要素だと思います。また、ポータブルスキルには「このスキルを持っておいたほうがいい」という正解はないため、自分自身の中で「自分のポータブルスキルは何か」ということを正確に把握することが重要です。これは私の持論ですが、業種が違えど、職種が違えど、このポータブルスキルを自分で正確に分析して把握していれば、仕事のミスマッチングは起こらなそうです。

ベトナム・ホーチミンでスピーカーをした際の写真を発見。太ってますね。。

話をもとに戻すと、私のポータブルスキルは「編集力」でした。

私のキャリアを振り返ると、新聞社に約10年、それ以降は中小企業の役員をしたり、時には事業主だったり、雇われ社長だったり、そして今は公的支援機関のセンター長だったり、一見するとキャリアにばらつきがあり、一貫性がないように見えます。

よく新聞社時代の先輩方からも「記者出身でよくそんな器用にできるよな」と言われます。ですが、よくよく考えると、新聞社時代もそれ以降も、そして今も「ほぼ同じ」ことをしています。そしてその「同じこと」をするにあたって使っているスキルが「自分のポータブルスキル」だと思っています。

新聞社時代、何をやっていたかというと、シンプルに「(取材をした)情報をもとに、点と点をつなぎ合わせて一つのストーリーにする」ということでした。いわゆる「編集作業」です。そしてアウトプットはもちろん「原稿(記事にする)」となります。

新聞社から転職して以降、私が何をしていたかというと、「(企業活動を通じて集まった)情報をもとに、点と点をつなぎ合わせて一つのストーリーにする」ということでした。まさにほとんど新聞社時代にやっていたことと一緒で、違うのは、そのアウトプットが新聞社時代は「原稿」だったのが、それ以降は「マネタイズするためのビジネスモデル」だったわけです。

これは今の仕事でも変わりません。昔は「自分の事業が儲かるために」このアウトプットの作業をしていましたが、今はビズに来られる相談者さんのためにアウトプットの活動をしています。そして、この「情報」は多ければ多いほど、正確で具体的で、価値のあるストーリーを生み出せます。だから、1時間も話を聞きます。また、場合によってはその事業者さんだけでは完結できないストーリーもあり、この場合はビズの特徴でもある「事業者間の連携」を行います。

原則、事業者間の連携は、ビズの相談者さん同士でしか行っていません。何故かというと、相談者さんでない場合、私の中の情報量が少ないため、ストーリーが描けないからです。双方の事業者さんの情報量が多くあってこそ、その二つを組み合わせたストーリーが発生し、いいビジネスになると思っています。

ちなみに、そもそも論で「ビジネスモデルのストーリー化」という考え方にはいろいろと意見があるかもしれませんが、私は「お金を生み出す事業にはそれなりのストーリーがある」と思っており、このストーリーはあらかじめ正確に、詳細に練ることが大事だと思っています。

よく、私が相談者さんのために書くプレスリリース、もちろんあれ自体はパブリシティ戦略の一つでもありますが、他方で、いったん文字におこしてみた際に「サービスや価値提供に漏れがないか」「市場とのミスマッチングは起こっていないか」を客観的に確認する意味もあります(この辺はまた別の機会にコラムで書きます)。

正直なところ、このスキルが自分の中であると確信しているので、それなりに自信を持って職務に臨めるという点もあります。また、このスキルは磨き続けないといけないものなので、よく街中を歩いたり、テレビを見たりしている際に、勝手に自分の中に入ってきた情報をつなぎ合わせて架空のビジネスモデルのストーリーを立てたりしています。

このポータブルスキル、今のご時世では、転職市場でよく耳にします。つまり「個人」のものです。しかし、「考え方のベクトル」としては、少し趣旨は違うし、狭義の意味では異なりますが、「事業者単位」でも使える概念で、これからの時代、非常に重要な発想です。

近年は、企業の発展や生き残りのために、ターゲットの市場を変えたり、B to BからB to Cへ、またその逆など、自分たちのドメイン(事業分野)を変化させることも求められます。また時代とともにライフスタイルも変化し、それに合わせたビジネスアイディアも必要になります。

特に今はコロナの影響で、通常は10年のスパンで変化する人々のライフスタイルが、数週間という短期間で変わる可能性があるため、事業者としてもそのスピードについていく必要があります。

このスピード感についていき、しかも戦う土俵を少し変える際にも、私は事業者として「ドメインを変えても持ち運べるスキル」すなわち、事業者にとっての広義のポータブルスキルは重要だと感じています。

個人の「ポータブルスキル」がその人のオリジナリティーであり強みであるのと同じで、広義の意味での事業者のポータブルスキルは、すなわち「強み」です。

あれこれ書いてしまいましたが、つまり、事業者として「強みをいかに見つけるか」ということが大事なのです。

個人が自分のキャリアを考えた際、ポータブルスキルを自己分析すると、自分が冷静に見れて、より強くなると言われます。それと同じく、事業者でもこのポータブルスキル」に近いもの、いわば「強み」を自己分析することで、もしかしたら異分野や、ターゲットを変えても通用するビジネスが成立するかもしれません。

ただし、なかなか「自己分析」と言っても難しいですよね。

そのために、ゆざわ-Bizがあり、一緒に「自分の強み」を再発見しましょうね、というのが今日のコラムの「オチ」です。

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