センター長の藤田です。本日の相談者さんは、店内に所狭しと1,000個以上のこけしを並べて販売している阿部始こけし店の阿部均さん。昨年からゆざわ-Bizと一緒に、こけしを飾る漆器の台だったり、こけし「が」身につけるアクセサリーだったりと斬新なこけしに関連する商品をリリースしたり、ウェブでの発信を挑戦したりと、新たな挑戦を続けてきました。
コロナ禍で外出自粛や、県内外の往来自粛と、それまで「来店」がメインの集客にあって、当初は苦戦していたものの、新商品のリリース効果やネットでの発信が徐々に実を結び、今は県外から直接電話での注文やネットでの販売も好調だそうです。ビズモデルの骨頂は「知恵とアイディアで流れを変える」なんですが、この流れを変えたあとに重要なのが「継続して地道に続ける」ことだと思います。阿部さんは、本当にコツコツと地道に情報発信を続けたり、新しい取り組みを継続的に行っている成果がまさに形になっているケースだと思います。
そして今回、また新たな商品をリリースしました。今年の春頃、阿部さんから「また新たなこけしにまつわる商品をつくりたい」と相談がありました。「単なるこけしじゃない新しい何か」というジャンルだったので、ゆざわ-Bizで提案したのは「マイ箸」。実はSDGsがトレンドとなり、サステナブルな世の流れになっているご時世、実は「マイ箸」の需要は高まっています。そして、コロナ禍でさらに「マイ箸」が注目を浴びています。外食などする際、自分で消毒し持ち歩いた箸のほうが安全だという考えのもと、最近は若い女性でもマイ箸を持ち歩く方が多いとのこと。そう、このマイ箸の所持層、意外に「こけ女」の方とかぶったりするんです。
こけしが大好きな「こけし女子」いわゆる「こけ女」の方々は、自分の好きな工人のこけしと、いつも一緒にいたいと持ち歩く人も多く、いつも外出の際に「持ち歩く」マイ箸にこけしの絵柄があってもいいのではないかと阿部さんとお話しました。
そこで阿部さんは、今木地山系のこけし工人の中で非常に人気な三春文雄工人に声をかけ、早速箸にこけしの絵付けをしてもらい、漆で仕上げました。
箸の柄の部分は当初「こけし型」にしようと思ったのですが、強度が出ないため、より実用性をかねて、通常の形の上に三春文雄工人が絵付けするという感じにしました。
今回の作品、オーダーがあって三春文雄工人が取り掛かるため、納期は1か月程度かかりますが、デザインはその時々で違うので、ほぼほぼ「世界で一つだけのマイ箸」になるのではないでしょうか。
阿部さん、最近はインスタグラムにも挑戦しているので、下にリンクを貼っておきます。