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基本に忠実なビジネスと「手段」としての補助金

センター長日記

先日、湯沢商工会議所の会員大会で、「ポストコロナ時代のビジネスを考える」というテーマの講演をしました。参加していない方に向けて、どんな内容を話したのか少しご紹介します。ポストコロナ時代のビジネスを考えるうえで、一番重要だと強調したのは・・・「Beforコロナでも、Withコロナでも、Afterコロナでも、やること、やるべきことは一緒です」という点でした。

「講演会のテーマが破綻しているじゃないか!」という声も聞かれそうですが・・・・、実際そうなんです。ビジネスを考える時、根本的な部分では実はコロナはあまり関係がなく(後段で書きますが、関係ないというか、一つの「要素」でしかない)、やるべきこと(基本)は同じなんです。講演会でお話ししたのが、全国に広がるビズモデルの基本となっている「自分たちの事業やサービスの強みを知る」こと。そして、それに気づいたうえで「ターゲットを絞ること」、さらに「そのターゲットに届くように商品の売り方(見せ方や切り取り方)を考えること」。最後に、こうして生まれた商品やサービスの情報を、自分たちがターゲットとしているところへ「確実に届けること」。これに尽きます。この基本に忠実であったからこそ、ビズモデルを掲げるご当地ビズが、全国で成果をあげているのだと思います。

もちろん「コロナ」というキーワードは重要ではありますが、基本を守りながら考えなければいけない「一つの要素」に過ぎないと思っています。基本に忠実でない場合、「コロナ」の要素をいくら考えたところで、売れないものやサービスができてしまうリスクがあります。

例えば、少し乱暴な話をすると、毎日クッキーをつくっているお菓子屋さんが、飛沫飛散防止パネルが市場で売れているからと、急にアクリル板を作って販売したところで、この店の「強み」や「オリジナリティー」とはかけ離れているためおそらく売れません。しかし、木材の微細加工ができる木工会社が「和の飲食店に合う、おしゃれな模様が彫られた脚のついた飛沫飛散防止パネル」を商品化すれば、売れる可能性があります。前者と後者で明確に違うのは、「強みが活かされているかどうか」です。

しかし、残念ながらこの点はあまり議論されないケースが多く、「儲かりそうだから事業化する」「コロナだから、ニーズがありそうだし事業化する」という話をよく聞きます。こうしたまったく「エビデンスのない」事業は、非常に危険だと私は感じています。そして、そうした安易な事業は、国が多額の予算を使い事業者に出す、コロナ禍での「事業再構築補助金」の採択事業などに見受けられる場合もあると感じています。

誤解を招かないように言うと、私は、事業再構築補助金自体に批判的なわけではありません。事業者の強みを活かした事業再構築計画であり、それがその事業者の将来にとって確実に必要ならば、その資金の一部が補助される補助金は素晴らしいものだと思います。しかし中には、「補助金が出るから、需要がありそうなサービスをつくるために、とりあえず申請しておく」という事例もあることを、われわれの支援とは少し離れた「外から」多く見ましたし、残念ながらそうした事業者にとっては、「事業の再構築」ではなく、「補助金の取得」というのが最終「目標」になっていたりする傾向があります。

補助金に申請すれば資金の一部を取得できますが、それ以外の部分は、確実に自己資金でまかなわないといけません。事業者は、「身銭を切ってでもその事業を行う必要があるか」をしっかり議論すべきで、身銭を切るのであれば「本当に強みを活かして、なおかつマーケットのある事業化」をきちんと考えなければいけません。ビズモデルの生みの親である中小企業支援家の小出宗昭さんも日ごろから言っていますが、補助金は「最終目標」ではなく、あくまでも目標のための「手段」であるべきなのです。これは、支援する立場のわれわれが明確にしなければならないと思っています。

皆さんご存じの通り、ビズモデルとしては、補助金申請のサポートは本来の業務ではありません。しかし、ゆざわ-Bizでは今年、事業者さんにとって「本来申請すべきではない補助金」とならないよう、可能なかぎり申請のお手伝いをしたり、事業内容を考えながら「これはあなたの事業の強みが活かされていますか?」という点を徹底的に議論したりしてきました。

その甲斐あって、ゆざわ-Bizに相談に来る事業者さんは、事業再構築補助金を含め、コロナ禍での事業をサポートする様々な補助金に多く採択されました。

ゆざわ-Bizという支援機関として、「事業者さんの将来の経営のために、しかるべくして取得した補助金」であることを、われわれは胸を張って言うことができます。

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