本日から、東北・北海道エリアで、各Bizのセンター長同士が連携を図りながら、お互いのBizに来る事業者の方々に対してより強力なサポートを行うという取り組みが始まりました。
この取り組みを説明する前に、改めてそもそもの「ビズモデル」って何かをご説明しておきます。何度かこのブログでも紹介しましたが、現在ゆざわ-Bizが行っている産業支援の形態は「ビズモデル」と呼ばれています。この「ビズモデル」、導入している自治体は湯沢市を含めて現在26か所あり(開設予定も含む)、どこも「対話を通して相談に来る事業者の『強み』を見つけたうえで、知恵とアイディアにより“お金をかけず”売り上げをアップする」という手法を取っており、原則設置する自治体の独自予算、すなわち税金事業で行っています。そして、相談は無料など、どこも一緒の手法をとっています。このモデルは、特にどこかの組織が主導しているわけではなく、湯沢市のように「このモデルは産業振興に非常に役立つ!」と感じた全国の各自治体が予算をとって独自に運営しており、「ビズモデル」とは呼ばれているものの、完全な「独立型」です。したがって、国のどこどこ省が主導して設立している・・・というような中央集権型の組織ではありません。逆に言うと、中央集権型の組織ではないにもかかわらず、自然派生でここまで全国に広がったというのが、ビズモデルのすごいところだと私は思っています。それなりに各地で結果を出していないとそういうことにはならないですし、そのレベルの維持をするために、私を含めて各地のセンター長が日々自己研鑽を積みながら、相談のクオリティーをあげて頑張って運営しています。
さて、話は戻りますが、東北・北海道エリアには開設予定のビズを含めて、4か所あります。まず一番先に誕生したのが釧路市です。そうです。ご存じ湯沢市の姉妹都市ですね。そして次が山形市です。ビズモデルは都道府県内でも比較的人口の少ないエリアなどが多いですが、全国的にも県庁所在地にBizが出来たのは、山形が初めてです。そして3番目が湯沢市。なんと、令和に入ってから初のBizは湯沢市でした。最後に今年6月をめどに設立される予定なのが、宮城県の気仙沼市です。東日本大震災の復興エリアでは初のBizが誕生します。
こんな感じで、北海道・東北には現在、4か所のBizが存在していますが、冒頭に書いたように、各Bizで組織的なつながりであったり、予算的なつながりは一切ありません。ただし、私たちセンター長は横のつながりがあります。みな、Bizモデルというものが、中小企業支援の現状で最高の形だと思って(そして自負して)このモデルに参画していて、組織的には別々ですが、お互い離れたところからたまに連絡を取り合いながら切磋琢磨していますし、このモデルを作った中小企業支援家の小出宗昭さんのサポートなども受けながら、日々相談のクオリティーをあげる努力をしています。
各地のセンター長は経歴やスキルが非常に豊かな人たちです。釧路市のセンター長の澄川さんは現役IT企業の経営者でリクルート出身です。釧路市は事業者数も湯沢市より多いことから、副センター長もいます。昨年、チラシ作成講座で湯沢市に来てくれた田辺さんです。田辺さんは、もとSUUMOマガジンの編集長という経歴を持っており、新しいデザインやコンセプトを作るのが得意です。山形のセンター長の富松さんは、Bizモデル初の女性センター長で、今後世の中でさらに非常に重要になってくるMOT(技術を経営的な価値に結び付け経済的な価値を創出すること)のプロです。気仙沼のセンター長の吉澤さんは、国内最大手CM制作会社のクリエイティブディレクターという経歴を持ちます。私は・・・皆さんご存じの通り、メディア出身で、経営経験を持ち、ついでに海外の金融機関の経験も持つとうそこそこマルチな「異色」で新規事業創出や事業拡大、海外系に強みを持っています。
こうしたセンター長、実はたまに自身の相談案件でもっと発展的に展開したい際に、これまでも横のやりとりをしていました。やっぱりその道のプロがそばにいるのであれば、このビズモデルのコンセプトも理解しているので、一番相談しやすいんです。今回は、こうしたせっかく私たち経験豊かで、専門分野もそれぞれ異なるセンター長や副センター長の強みをもっと活かそうというところから始まったのが、東北・北海道のBiz同士での連携です。
例えば、新商品のファンづくりのための情報発信をもっと発展的にしたいなとゆざわ-Bizで思ったら、釧路のk-Bizに相談しますし、逆にどこかのBizから、「海外の販路開拓をしたい」という話があれば、私がサポートします。
それぞれのBiz自体の力・能力が強い上に、それが連携すれば無限の可能性を秘めていると私は感じています。
今日は、そんな連携を今後、各センター長同士が行っていきますよというアナウンスを、各メディアの方々を相手に山形市役所で記者会見をしました。ちなみに、私は・・・このコロナ禍の影響で会見場には参加せず、湯沢市からオンライン参加しました。
さすが県庁所在地ということもあり、会見は、テレビ局はNHKなど3社、新聞も5社程度集まり、注目が高い会見だったと思います。
私たちは組織的・予算的なつながりはないものの、逆にこうした柔軟な連携が、素早くできるというのがこのモデルの魅力の一つでもあると思っています。もちろん、こうした各Bizに訪れる相談者の方々にとってメリットになる今回のような発展的な連携の前提には、各地のBizのセンター長のたぐいまれな能力や日々の努力と、実績があってこそのものだとも感じています。
今回は、Bizにとってまた一つ「強力な武器ができた」というお話でした。