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“弱みを強みに”を街ごとやってみる。雪中貯蔵協会はいかにして誕生したか

センター長日記 メディア情報

ビズモデルの強いところは、事業者の「光る部分」であったり「強み」を見つけ、それを磨くことで売り上げの増加という目に見える形にすることです。一見弱みに見える部分でも、見方やとらえ方で「強み」になります。これは、前に私がアップしたコラム・レストランびいどろさんの件でもご紹介しています。

そして、これは事業者単位ではなく、「街全体」でもいえることだと思っています。個々の事業者で実践したビズモデルの威力を、街に応用できたら街全体の活性化にもつながるのではないかといつも思っています。

この街に引っ越してきてから、湯沢の人たちからよく、「湯沢は雪さえなければ・・・・・」というお話をよく伺いました。私は雪国の出身ではなく、関東出身で、どちらかというと「雪は非日常的」なもので、何かと特別なものでした。逆に湯沢の人たちにとっては、雪は「邪魔なもの」で「捨てるもの」で「生活するうえでなければもっとラクなもの」だと思います。それは今シーズンの豪雪で、毎日のように朝・夕に実際に雪寄せをしたり(お恥ずかしながら「雪寄せ」でだけではありますが・・・)して、この感覚がすごくわかりました。

私が湯沢に来てから思っていたこと。この街では雪は生活をするうえでの「デメリット」すなわち「弱み」でしかないものですが、この弱みを「強み」すなわち「お金を生み出す道具」に変えられないかと思いながら、仕事をしてきました。

その第一弾が、形になりました。本日の日経新聞や読売新聞で大きく取り上げられた「秋田・湯沢 雪中貯蔵協会」の設立のサポートです。

ゆざわ-Bizに相談に来られる事業者から「湯沢の豪雪を利用して何かできないか」との相談をうけ、雪中貯蔵による商品化をある程度の事業者がまとまってブランディングをしたらどうかと提案させていただきました。

雪中貯蔵品は豪雪地帯ではいわば「保存方法」であり、当たり前かもしれませんが、「雪下にんじん」で代表されるように、雪のないエリアでは「希少なもの」かつ「高価なもの」として取引されています。もちろん雪中貯蔵をすると「低温で熟成され、甘みが増す」という効果もありますが、それ以上に雪のないエリアの消費者からすると「非日常的な商品」としてのプレミアム感が増します。

そもそも、雪中商品ができる特別豪雪地帯に住む人口は日本の全人口のうち2~3%程度です。つまり、「超豪雪地帯の人が生みだした商品」を、「豪雪地帯に住む人たち以外の人」をターゲットにした場合、日本の全人口の95%以上が対象になります。そして、こうした商品は雪がとてつもなく多く、気温も「適度に」低いところでしかできません。おそらく、日本海側の一部のエリアでしか成立しない商品です。

もちろん、全国的にみれば、「雪中モノ」と呼ばれる商品は多くありますが、意外に「地域全体」でブランディングしているケースがあまりありません。各農家さんや生産者で採れるものは違いますし、別に「野菜や果物」以外を雪中貯蔵して売り出してもいいのではないかとも感じています。雪中貯蔵という手法が希少なエリアの消費者に対して、雪中貯蔵という新たな熟成方法、すなわち、商品を完成させるまでのプロセスとしてのひと手間という新たな価値観を提供できる商品は、何も各事業者ごとにやるのではなく、地域全体でブランディングをして全国のマーケットで闘っていけばいいのではないかと思っています。それが今回の協会の設立につながりました。

この「雪をお金に変えていく」という試みは、まだはじまったばかりです。雪中貯蔵協会はこれからも賛同してくれる事業者の方々を増やしていく必要がありますし、協会が生みだす商品を実際に来シーズン以降は、実践販売をしていく必要があり、そこの販売戦略も今からすでに考えています。そして・・・「雪をお金に変える」取り組みは、実は雪中貯蔵協会だけにとどまりません。第二弾の構想はすでにあり、とある事業者さんと来シーズンに向けて、たんたんと準備を進めています。

「雪」は確かに厄介ものです。私も今シーズンで痛感しました。ただ、頭を悩ます雪は「降らないでくれ」と願っても、残念ながら降り続けます。であるのであれば、だまってても降るものを使って「何か生みだそう」。そうした発想に立って、ゆざわ-Bizでのサポートを今後もしていきたいと思っています。

商品は、すでに販売をしています。数量は限定なので、ご注文はお早めに!

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